農薬混用について

複数の農薬を同時に散布するとき、混合する順番によっては、農薬の効用が薄れてしまう可能性がある。効果的、効率的に農薬を散布するために混和する順番を守りましょう。

基本的に混和する順番は、“溶けやすい農薬”の順番です。

  1. 展着剤:農薬を水中で分散しやすくする作用がある。薬液を植物に付着させやすくする以外にも、浸透性、浸達性の強化、耐雨性の向上に効果がある。※中には薬害を引き起こしやすくしてしまうものもあるため、要注意。
  2. 乳剤:水に溶けにくい農薬成分を有機溶媒に溶かし、乳化剤を加えた油上液体。“油”であるため、火気厳禁のものが多く、保管は要注意。
  3. 液剤:水溶性の農薬成分を液体製剤にしたもの。または、水に溶けない、溶けにくい農薬成分を溶かして液状にしたもの。
  4. 水溶剤:水溶性の粉状、粒状などの製剤。農薬の成分が完全に水に溶けるため、成分が沈殿しづらい。

~以下完全に水に“溶けない”農薬~

農薬調整後静置すると成分が沈殿します。また、フロアブルなどの液状の農薬は成分が沈殿しているため、はかり取る前によく撹拌してからはかり取りましょう。また、散布前もしっかりと混ぜてから使用しましょう。

  1. フロアブル剤:農薬成分の粒が粘性の高い液体に混ざっている。一見すると普通の液体に見えるが、きちんと溶けているものではないため、使用前にはよく撹拌しないといけない。
  2. 顆粒水和剤:水和剤を顆粒状にしたもの。希釈時の粉立ちが少なくはかりやすい。ドライフロアブル(DF)もこの形態。
  3. 水和剤:水になじむ粉状製剤。細菌病に適用のある銅剤はこの形態となるものが多い。
    ※銅剤は最初に入れてしまうと、ほかの農薬成分が分解されてしまう可能性が高いため、最後に入れましょう。

まとめ

農薬の混和の基本は“溶けやすいものから先に入れる”こと。

展着剤や乳剤は、ほかの農薬を溶かしやすくしてくれるので先に入れるとよい。中には薬害が発生しやすい組み合わせもあるため、注意。

混和の注意点については、農薬ラベルに表示されていることもあります。散布前には農薬の注意事項はよく読んでください。

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